こんにちは、Power BI サポート チームの亀田です。
Power BI のダッシュボードについて、実際にダッシュボードを作成する手順と、レポートとは何が異なるのか・どのように使い分けるのかについて説明します。
重要
本記事は弊社公式ドキュメントの公開情報を元に構成しておりますが、
本記事編集時点と実際の機能に相違がある場合がございます。
最新情報につきましては、参考情報として記載しておりますドキュメントをご確認ください。
ダッシュボードとは
Power BIにおけるダッシュボードは、さまざまなレポートに存在するビジュアルや、レポート自体を1つにまとめたキャンバスです。”ピン留め”と呼ばれる操作を行うことで、複数のビジュアルやレポートをダッシュボードに追加することができます。他社製品では、Power BIでレポートと呼んでいるものをダッシュボードと呼ぶものもあり、注意が必要です。
レポートとの使い分け
レポートとダッシュボードはどのように使い分ければよいのでしょうか。例えば、以下のシーンではダッシュボードを活用することが効果的です。
- レポートの中の一部のデータを毎日確認している。また、確認する必要のあるレポートが複数ある。
→ダッシュボードを作成することで、そのダッシュボードでまとめて確認できる。 - データソースやデータセットが複数あるので、1つのレポートにはまとめられない。
→ダッシュボードを作成することで、異なるデータソースでもダッシュボードでまとめて確認できる。 - チームの中で、同じデータを確認してもらいたい。
→ダッシュボードを作成することで、見てもらいたいデータを全員に配布することができる。
レポートとダッシュボードの違いについて整理しました。
機能 | ダッシュボード | レポート |
---|---|---|
ページ数 | 1ページ | 1ページ以上 |
データソース | ダッシュボードごとに、1つ以上のデータソース | レポートごとに1つのデータセット |
Power BI Desktopでの利用 | 不可 | レポートの作成と参照が可能 |
コピーの保存 | 同じワークスペースのみ | 他のワークスペースにも可能 |
ダウンロード | 不可 | 可能 |
埋め込み | 不可 | ・SharePoint Online ・Web サイトまたはポータル ・Webに公開(パブリック) ・Power BI Embeddedによる埋め込み(開発者playグラウンド) |
ダッシュボードの利用方法
ダッシュボードは、Power BI Serviceでのみ作成することができます。Power BI Desktopからは作成することができませんのでご注意ください。また、ダッシュボードはビジュアルを元に作成する場合とレポートを元に作成する場合で手順が異なります。それぞれの手順を説明します。
ビジュアルからダッシュボードを作成する場合
レポートを開き、追加したいビジュアルにマウスポインタを重ねます。すると、ビジュアルに5つのアイコンが表示されます。”ビジュアルをピン留めする”ためのピンのマークを選択します。
ダッシュボードにピン留めするためのポップアップが表示されるので、どこにピン留めするかを選択します。既存のダッシュボードにピン留めすることも、新しくダッシュボードを作成してピン留めすることもできます。どちらかを選択したら、”ピン留め”をクリックします。
画面右上に、ダッシュボードにピン留めしましたと表示されます。
ダッシュボードを見てみると、追加したビジュアルが表示されていることが確認できます。
レポートからダッシュボードを作成する場合
レポートを開き、上部にある[・・・ (その他のオプション)] をクリックします。その中にある”ダッシュボードにピン留め”を選択します。
ダッシュボードにピン留めするためのポップアップが表示されるので、どこにピン留めするかを選択します。既存のダッシュボードにピン留めすることも、新しくダッシュボードを作成してピン留めすることもできます。どちらかを選択したら、”ライブをピン留めする”をクリックします。
画面右上に、ダッシュボードにピン留めしましたと表示されます。
ダッシュボードを見てみると、追加したビジュアルが表示されていることが確認できます。
また、ダッシュボードには画像やビデオといったコンテンツを埋め込むこともできます。これらのコンテンツを埋め込む場合には、ダッシュボードを開き、[編集] > [タイルの追加] を選択します。
ソースの一覧が表示されるので、埋め込みたいコンテンツを選択します。
ダッシュボードを作成したら、右上にある”視覚エフェクトの更新”をクリックすることで、データモデルが更新されている場合は最新のデータに更新されます。
ビジュアルのピン留めとレポートのピン留めの違い
ビジュアルのピン留めとレポートのピン留めではダッシュボードを作成するための手順が異なりましたが、動作も異なります。それぞれの違いについて整理しました。
機能 | ビジュアル | レポート |
---|---|---|
ピン留めの時系列 | ピン留めした時点のビジュアル | レポートの最新時点 |
スライサー | 適用されない | レポート内のスライサーは適用される |
ビジュアルをクリックしたときの動作 | ビジュアルが存在するレポートに遷移する | クリックしたデータによってフィルターされる |
元のレポートのビジュアルが編集された時の、ダッシュボードにピン止めされたコンテンツの変化 | 変化しない | 最新状態が反映される |
レポートのピン留めの場合は、元のレポートが編集されるとダッシュボードも変更されてしまいます。そのため、必要なビジュアルについてはレポートのピン留めではなく、ビジュアルをピン留めすることを推奨します。また、ビジュアルをピン留めした後は、フィルターがかけられないためピン留め前にフィルターをかけた状態でピン留めする必要があります。
事例: ワークスペースをまたいだダッシュボード
ワークスペースをまたいだダッシュボードを作成できないかというお問い合わせがございました。
2022年10月の記事執筆時点では、残念ながらワークスペースをまたいでダッシュボードを作成することはできません。代替策として、レポートのSharePoint Onlineの埋め込みを活用することでワークスペースをまたいだデータを同じページで参照することが可能です。
SharePoint Onlineの埋め込みを利用するにあたってはいくつかの注意点がございます。以下のページに利用についての注意点が記載されておりますのでご確認ください。
Power BI レポートの埋め込み方法の種類について | Japan CSS Support Power BI Blog (jpbap-sqlbi.github.io)
事例: レポートの権限とダッシュボードの権限を分ける
利用状況メトリックレポートをワークスペースの権限がビューアーのユーザーに参照させたいというお問い合わせがございました。
利用状況メトリックレポートを参照するためには、ユーザーにワークスペースの共同作成者以上の権限が必要となります。ワークスペースの共同作成者以上の権限を割り当てる場合、ワークスペース内に存在する他のレポートの編集が可能になります。他のレポートへ変更が加えられることを防ぐため、ユーザーへの権限は最小限にする必要があります。
利用状況メトリックレポートをレポートごとダッシュボードにピン留めし、共有いただくことでワークスペースの権限はビューアーのまま、利用状況メトリックレポートを参照することができます。
以上、本ブログが少しでも皆様のお役に立てますと幸いでございます。
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