こんにちは、Power BI サポート チームの亀田です。
Power BI では、.pbix ファイルとして Power BI Desktop で作成できるレポートのほかに、.rdl ファイルとして作成できるページ分割されたレポートを作成することができます。ページ分割されたレポートは、請求書や帳票などの、多くの行項目を含むレポートを作成するのに便利です。今回は、ページ分割されたレポートと、レポートを作成するための Power BI Report Builder について説明します。
重要
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目次
ページ分割されたレポートとは
ページ分割されたレポートは、1ページに収まるように設定されているレポートで、印刷や共有することを想定してデザインされたレポートです。従来よりオンプレミス製品である SQL Server Reporting Services (SSRS) では、ページ分割されたレポートを作成することができましたが、 Power BI でも同様に作成することができます。ページ分割されたレポートは SSRS と Power BI のどちらで作成した場合でも RDL (Report Definition Language) で定義されていますが、SSRS の場合には Microsoft Report Builder を利用するのに対し、Power BI の場合には Power BI Report Builder を利用しますのでインストール時にはご注意ください。
Note
Power BI のページ分割されたレポートとは - Power BI | Microsoft Learn
Power BI サービスでのページ分割されたレポート - Power BI | Microsoft Learn
レポート定義言語 (SSRS) - SQL Server Reporting Services (SSRS) | Microsoft Learn
作成されたレポート請求書や帳票などの、多くの行項目を含むレポートを作成したい場合、ページ分割されたレポートが適切です。例えば、通常のレポートを印刷しようとした場合、 Power BI Service では以下のように表示されます。
このレポートを印刷しようとすると、以下のとおり現在見えているデータのみが印刷対象となります。
一方、ページ分割されたレポートの場合には、 Power BI Service 上では以下のように表示されます。
そして、印刷しようとすると、すべてのデータが印刷対象となります。
このように、ページ分割されたレポートは多くの行項目を一度に出力したい場合に向いているレポートです。
そして、ページ分割されたレポートから出力した場合、データ行に上限はありません。(しかしながら、大量データをエクスポートした場合には高負荷となることが想定されますので、御理解の上ご利用ください。)
また、ページ分割されたレポートでは、ユーザーにパラメーターを入力させ、入力されたパラメーターをもとにレポートを生成することが可能です。そうすることで、例えば売上データの開始日と終了日を指定したり、特定の製品のみを対象としたレポートを出力することが可能となります。
Note
Power BI サービスでページ分割されたレポートのパラメーターを作成する - Power BI | Microsoft Learn
Power BI レポート ビルダーでのレポート パラメーター - Power BI | Microsoft Learn
Power BI Report Builder でのレポート作成
今回は、シンプルなレポートの作成方法と発行方法を説明します。
準備 : Power BI Report Builder のインストール
Power BI Report Builder を以下のリンクからダウンロードし、インストールしておきます。
また、今回のレポートには AdventureWorks のサンプル データベースを使用しています。
新規レポートの作成と発行
はじめに、 [ホーム] > [新規作成] を選択します。
[新しいレポート] > [テーブルまたはマトリックス ウィザード] を選択します。
[データセットの選択] が表示されるので、 [データセットを作成する] を選択し、 [次へ] を選択します。
[データソースへの接続の選択] が表示されるので、 [新規] を選択します。
[データソースのプロパティ] ウインドウが表示されるので、 [ビルド] を選択して接続先を設定します。設定したら [OK] を選択します。
[データソースへの接続の選択] 画面に戻るので、先ほど作成したデータソースを選択し、 [次へ] を選択します。資格情報の入力が求められたら、入力して [OK] で進みます。
データソースが表示されるので、レポートで使用したいデータを選択します。 [次へ] を選択します。
[フィールドの配置] ウインドウが表示されるので、テーブル / マトリックスで使用したいデータを指定します。 [値] については自動的に SUM で集計されます。 [次へ] を選択します。
レイアウトのプレビューが表示されます。プレビューでは一行しか表示されませんが、実際にレポートを表示した際にはデータが表示されますのでご安心ください。
デザイン画面が表示されます。
[実行] すると、先ほどのレイアウトのレポートが実際のデータで表示されます。
実際に表示されるレポート例です。
グラフを追加したい場合には、 [挿入] タブから [グラフ] を選択します。
追加したいグラフを選択します。
グラフを右クリックして、グラフで使用するデータを指定します。
再度 [実行] してみると、グラフが表示されていることを確認できます。
レポートを発行する場合には、 [ファイル] > [公開] > [Power BI サービス] を選択します。サインインをしていない場合にはサインインのポップアップが表示されますので、サインインを行います。
発行先を選択し、ファイル名を入力して [公開] を選択します。
正常に発行が行われれば、選択したワークスペースにページ分割されたレポートとして発行されます。
おわりに
今回はページ分割されたレポートについてご説明いたしました。次回はパラメーターを含むより詳細なレポートの作成方法についてご説明いたします。
以上、本ブログが少しでも皆さまのお役に立てますと幸いでございます。
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