こんにちは、Power BI サポート チームの山本です。
これまで当ブログ内で Power BI のライセンスについては以下記事でもご紹介してきました。
- Power BI Desktop とPower BI サービスの違い：Power BIでレポート作成・分析を行うために必要なものは？」
- Power BI ライセンスの違い（Free・Pro・Premium Per User・Premium Per Capacity・Embedded）」
- Power BI ライセンスの導入：利用目的による組み合わせ」
技術サポートには利用者の方から更に踏み込んで、Power BI ライセンスの使用例についてのご相談をいただくことが多くあります。
今回は、ライセンスの複数利用や商用利用に関するよくある質問をまとめました。
重要
本記事は弊社公開情報を元に構成しておりますが、
本記事編集時点と実際の見解に相違がある場合がございます。
最新情報につきましては、参考情報として記載しておりますドキュメントをご確認ください。
目次
- 一つの Power BI ライセンスを複数のデバイスで使用することは問題ないか
- 一つの Power BI ライセンスを使用して、表示されるレポートやダッシュボードを他の人と閲覧することは問題ないか
- Power BI Desktop で表示したレポートを Power BI ライセンスを持たない他の人と閲覧することは問題ないか
- 一つの Power BI ライセンスを複数人で共同利用することは問題ないか
- Power BI ライセンスを用いて作成したレポートやデータセットを、組織外のユーザーに共有し、対価を得ようとする場合、制限事項はあるか
- Azure AD B2B コラボレーション機能を使用し、ライセンスは顧客に用意してもらうが、自社で保有するコンテンツを共有し、対価を得る行為は問題あるか
- 組織内のユーザーに Power BI Desktop を再配布 (二次配布) することは認められるか
一つの Power BI ライセンスを複数のデバイスで使用することは問題ないか
適切な Power BI ライセンスを持つユーザー自身が複数のデバイスにサインインし、使用することは問題ございません。
利用シナリオ例：Power BI サービスに対し普段利用している PC からのアクセスに加え、仮想環境 (VM) や スマートフォンアプリから Power BI サービスへアクセスを行なう。
一つの Power BI ライセンスを使用して、表示されるレポートやダッシュボードを他の人と閲覧することは問題ないか
適切な Power BI ライセンスを持つユーザーがサインインし、画面に表示した情報をライセンスをお持ちでない閲覧者に見せる事は問題ございません。
利用シナリオ例：プレゼンや報告の際に、ご自身の Power BI サービス内のレポートやダッシュボードを表示して、一時的に視聴者・観衆に公開する。
Power BI Desktop で表示したレポートを Power BI ライセンスを持たない他の人と閲覧することは問題ないか
Power BI Desktop の利用においては、ライセンスの有無が制約とはならないため、ライセンスを持たないユーザーと閲覧することは問題ございません。
利用シナリオ例：工場現場などで、共有 PC と大型モニターを用意し、 Power BI Desktop を起動、レポートを表示させ、不特定多数でモニタリングする。
一つの Power BI ライセンスを複数人で共同利用することは問題ないか
割り当てられたライセンスのユーザーアカウントと異なる使用者が該当アカウントを使用して Power BI サービスを使用することは認められておりません。
利用シナリオ例：工場など現場において、共有 PC と大型モニターを用意、また共同管理用のユーザーアカウントを作成し、Power BI ライセンスを割当て複数人でアカウントを共有し Power BI サービスのリアルタイムレポートを定期的にモニタリングする。
どうあるべきか
Power BI ライセンスが割り当てられたユーザーアカウントと使用者は一致する必要があります。
複数人で使用する場合には、各ユーザーごとに Power BI ライセンスを割り当て、レポートを共有してご利用ください。
*「Web に公開」機能を使用して、Power BI ライセンスを保有していないユーザーへレポートを公開することは認められています。
また Power BI Premium や Embedded をご利用いただく場合、「埋め込み機能に関するホスティングの例外」の例外があり、ライセンスを持たないユーザーのサービスへのアクセスを許諾できます。但し Azure AD アカウントの共有、Power BI サービスの再販売、再頒布ができるわけではないので、この点はご注意ください。
参考情報
Power BI ライセンスを用いて作成したレポートやデータセットを、組織外のユーザーに共有し、対価を得ようとする場合、制限事項はあるか
Power BI ライセンスの商用利用は認められていません
Power BI サービスを使用して作成した成果物を第三者に提供し対価を得る行為は、商用利用にあたります。
Power BI では再販売・再頒布する行為は禁止されており、ライセンス上認められません。
どうあるべきか
Power BI Premium や Embedded の「埋め込み機能」を使用し作成したカスタマーアプリケーションにおいては、第三者への埋め込み機能へのアクセスとその使用が許可されています。（「埋め込み機能に関するホスティングの例外」）
参考情報
Azure AD B2B コラボレーション機能を使用し、ライセンスは顧客に用意してもらうが、自社で保有するコンテンツを共有し、対価を得る行為は問題あるか
Azure AD B2B コラボレーションによる共有でも対価を得る行為は、ホスティングに該当し、認められません
利用シナリオとしては Azure B2B で招待するゲストユーザー (B社とします) が自社で保有するライセンスを使用し、コンテンツ共有元 (A社とします) のコンテンツを有償利用することが想定されます。
上記の場合、B2B の仕組みであったとしても、B2C に該当し、A社の環境をホスティングしていることとなります。ライセンス自体はゲストユーザー側で用意している場合でも、コンテンツを共有する行為は認めれません。
(B2B は通常、ゲストユーザーを招待して招待元の業務目的の元、共同作業を行なう機能となります)
注意事項
・エクスポートされたデータやパワーポイントファイル、画面キャプチャなど、Power BI サービスのコンテンツから生成できる成果物の共有については上記制限を受けません。
・Power BI Premium や Embedded の「埋め込み機能」を使用し作成したカスタマーアプリケーションにおいては、第三者への埋め込み機能へのアクセスとその使用が許可されています。（「埋め込み機能に関するホスティングの例外」）
・お客様とマイクロソフトの契約書には国際法、国内法の遵守の義務が記載されており、お客様の行おうとしている商用利用が国際法、国内法の禁止事項に抵触する場合には、その使用は認められないものとなります。
参考情報
組織内のユーザーに Power BI Desktop を再配布 (二次配布) することは認められるか
組織内のユーザーに Power BI Desktop を再配布することは認められています
組織内のテナントユーザーに Power BI Desktop のインストーラーを再配布いただくことは、ご利用上、問題ございません。
注意事項
一方で、第三者への公開、レンタル、リース、ホスティング等は禁止されていますのでご留意ください。
6 ライセンスの適用範囲
本ソフトウェアは使用許諾されるものであり、販売されるものではありません。本ライセンス条項は、お客様に本ソフトウェアを使用する限定的な権利を許諾します。その他の権利はすべてマイクロソフトが留保します。適用される法令によって本ライセンス条項の制限を超える権利が許諾される場合を除き、お客様は本ライセンス条項で明示的に許可された方法でのみ本ソフトウェアを使用することができます。お客様は、ソフトウェアに組み込まれた使用方法を制限する技術的制限に従うものとします。以下の行為は禁じられています。
- マイクロソフトの事前の書面による承諾なくして、第三者のアプリケーションが本ソフトウェアのデータに接続して読み取ることができるようにすること。
- 本ソフトウェアをダウンロードまたは使用して、競争的研究を実施すること。
- マイクロソフトの事前の書面による承諾を得ることなく、本ソフトウェアのベンチマーク テスト結果を第三者に開示すること。
- 本ソフトウェアの技術的な制限を回避する方法で使用すること。
- 本ソフトウェアをリバース エンジニアリング、逆コンパイル、または逆アセンブルすること。ただし、適用される法令により明示的に認められている場合を除きます。
- 本ライセンス条項で規定されている数以上の本ソフトウェアの複製を作成すること。ただし、適用される法令により認められている場合を除きます。
- 第三者が複製できるように本ソフトウェアを公開すること。
- 本ソフトウェアをレンタル、リース、または貸与すること。
- 本ソフトウェアまたは本ライセンス条項を第三者に譲渡すること。
- 本ソフトウェアを商用ソフトウェア ホスティング サービスで使用すること。
以上、本ブログが少しでも皆様のお役に立てますと幸いでございます。
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