こんにちは、Power BI サポート チームのチャンです。
前回のブログ「Power BI Desktop とPower BI サービスの違い:Power BIでレポート作成・分析を行うために必要なものは? 」では、Power BI DesktopとPower BI サービスの違いについて説明しました。
本ブログでは、Power BI のライセンスについて詳細にご案内いたします。
重要
本記事は弊社公式ドキュメントの公開情報を元に構成しておりますが、
本記事編集時点と実際の機能に相違がある場合がございます。
最新情報につきましては、参考情報として記載しておりますドキュメントをご確認ください。
更新履歴
Update: 2024/11/06
日本マイクロソフトの法人向けソフトウエアおよびクラウドサービスの価格改定に伴い、Power BI 各種ライセンスの価格表記を変更いたしました。
法人向けソフトウエアおよびクラウドサービスの価格改定について - Japan News Center
Update: 2023/11/30
Microsoft Fabric 一般提供開始に伴い、内容を一部追加・変更しました。
Prepare your data for AI innovation with Microsoft Fabric—now generally available
Update: 2023/4/12
日本マイクロソフトの法人向けライセンスおよびサービスの価格改定に伴い、Power BI 各種ライセンスの価格表記を変更いたしました。
日本マイクロソフト、法人向けライセンスおよびサービスの価格改定について - News Center Japan
Power BI ライセンス(Free・Pro・Premium Per User・Premium Per Capacity・Embedded・Fabric)の違い
Power BI のライセンスは、ユーザー単位と容量単位に分かれています。
ユーザー単位は関しては、Power BI Free(以下Free)、Power BI Pro (以下Pro)とPower BI Premium Per User(以下Premium Per User)の三種類を用意しており、Free は個人利用を目的としたライセンス、Pro は他者との共有・共同作業を目的としたライセンス、Premium Per User は高度な機能をご利用いただけるProの上位ライセンスとしてご理解いただければと思います。
容量単位につきましては、組織向けの容量プランPower BI Premium Per Capacity(以下Premium Per Capacity)と開発者向けの容量プランPower BI Embedded(以下Embedded)とオールインワンの分析ソリューションの容量プランMicrosoft Fabric Capacity (以下Fabric)がございます。
上記のライセンスにつきまして、以下に詳細をご案内いたします。
Power BI Free とは?
Power BI Free(Power BI (無料))(以下Free)は、Office365 / Microsoft 365 のいずれのプランにおいても、無償かつユーザー数無制限でご利用いただけるライセンスです。
個人利用を目的としたライセンスであるため、作成したレポートやダッシュボードを、他者に共有する機能を使用することができません。
Power BI Pro とは?
Power BI Pro (以下Pro)は、月額制の有償ライセンスで、1ユーザーごとに1ライセンスが必要となります。
Office365/ Microsoft 365 E3 以下のプランには含まれませんので、必要数をご契約いただく必要がありますが、E5 プランにはもとから含まれますので、別途Pro ライセンスをご契約いただく必要はありません。Pro ライセンスを所持することで、Proライセンスユーザー同士でのコンテンツ共有が可能となります。
Power BI Premium Per User とは?
Power BI Premium Per User(以下Premium Per User)は、月額制の有償ライセンスで、1ユーザーごとに1ライセンスが必要となります。
Proライセンスより使用可能なデータモデルサイズ、ストレージ容量が大幅に向上する上に、ページ分割されたレポート、データフロー、高度なAI などPremium 機能が利用可能です。
共有につきまして、Premium Per User の容量に保存されたコンテンツは、Premium Per User ユーザーしかアクセスできません。
Premium Per User 容量が割り当てられたワークスペースには、ダイヤモンドと人のアイコンが表示されます。
参考情報
Power BI Premium Per Capacity とは?
Power BI Premium Per Capacity (以下Premium Per Capacity)とは、Pro か Premium Per User に追加可能な容量ベースのプランとなります。
Free、Pro、Premium Per User はユーザーに紐づくライセンスですが、Premium Per Capacity はテナントの容量に紐づくライセンスとご理解いただければと思います。
Free と Pro では、Azure 上の共有リソースが割り当てられますが、Premium Per Capacity をご契約いただくことで組織専用の拡張リソースを確保し、大容量のリソースを柔軟に運用いただくことが可能となります。
また、上述で、コンテンツ共有にはお互いに Pro ライセンスが必要であることをお伝えしていましたが、Premium Per Capacity 容量に保存されたコンテンツは、Free ライセンスのユーザーも閲覧することが可能となります。
Premium Per Capacity 容量が割り当てられたワークスペースには、ダイヤモンドアイコンが表示されます。
Update: 2024/11/06
2024 年 7 月以降、新規で Power BI Premium Per Capacity 容量を購入できなくなり、今後すべて Fabric Capacity に移行されます。詳細な移行スケジュールにつきましては、以下のブログ記事をご確認ください。
Power BI Premium Per Capacity の詳細については以下公開情報をご参考にしていただけますと幸いです。
参考情報
Power BI Embeddedとは?
Power BI Embedded(以下Embedded)とは、アプリケーションの開発者向けにご用意した、利用時間ごとで従量課金される容量プランとなります。
Embedded には、顧客向け埋め込みと組織向け埋め込みという2種類の埋め込みがあります。
顧客向け埋め込みは、事前にサービスプリンシパル、またはマスターアカウントの認証をアプリケーションで設定しておくことで、組織外のどなたでもコンテンツを閲覧いただけます。
組織向け埋め込みは、アプリケーション側のユーザー認証によって、適切なライセンスを持つ組織内のユーザーはアプリケーションから直接Power BI サービス上のレポートへアクセスできます。
Power BI Embedded の詳細については以下公開情報をご参考にしていただけますと幸いです。
参考情報
Fabric Capacity とは?
Microsoft Fabric はデータサイエンスやリアルタイム分析、可視化などデータに関する操作が行えるオールインワンの分析ソリューションです。Fabric Capacity(以下Fabric)では様々なソリューションをご利用いただけます。
Fabric は 端的に表現すると Power BI 、Azure Synapse Analytics 、Azure Data Factory を 1 つの SaaS 環境で利用できるオールインワンの分析ソリューションです。この統合によって、データを一元管理でき、コラボレーションをより容易に行うことが可能となります。Fabric で利用できる機能に関しては、以下のブログ記事にて詳しく紹介しておりますので、ご確認ください。
参考情報
機能比較表
上記で紹介させていただきました、各ライセンスの機能や特徴を以下の表にまとめました。
Free | Pro | Premium Per User | Premium Per Capacity | Embedded | Fabric Capacity | |
---|---|---|---|---|---|---|
価格※8 | 無償(ユーザー数無制限) | ¥1,499/月額・ユーザー | ¥2,998/月額・ユーザー | 新規購入不可 ※9 | ¥154.7232~/ 時間・容量 | ¥38.335~/ 時間・容量 |
用途 | 個人利用 | 複数人共同作業 | 高度な機能利用、複数人共同作業 | 大規模組織専用 | アプリケーション開発者用 | オールインワンの分析ソリューション |
レポート・データセット作成 | 〇 ※1 | 〇 | 〇 | × ※2 | × ※2 | × ※2 |
レポート・データセット発行 | 〇 ※1 | 〇 | 〇 | × ※2 | × ※2 | × ※2 |
コンテンツ共有と共同作業 | × | 〇 | 〇 | × ※2 | × ※2 | × ※2 |
無償ユーザーのコンテンツ閲覧 | × | × | × | 〇 | × | 〇 ※SKU F64以上 |
ストレージ上限 ※5 ① マイワークスペース ② 共有ワークスペース ③ Premiumワークスペース |
① 10GB/ ユーザー ② × ③ × |
① 10GB/ ユーザー ② 10GB/ ワークスペース ③ × |
① 10GB/ ユーザー ② 10GB/ ワークスペース ③ 100TB/テナント |
① 10GB/ ユーザー ② 10GB/ ワークスペース ③ 100TB/ 容量 |
① 10GB/ ユーザー ② 10GB/ ワークスペース ③ 100TB/ 容量 |
① 10GB/ ユーザー ② 10GB/ ワークスペース ③ 100TB/ 容量 |
データセットサイズ制限 | 1GB | 1GB | 100GB ※4 | 25GB~400GB ※4 | 3GB~400GB ※4 | 3GB~400GB ※4 |
自動更新 | 8回/日 | 8回/日 | 48回/日 | 48回/日 | 48回/日 | 48回/日 |
ページ分割レポート | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
データフロー | × | 〇 ※3 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
デプロイパイプライン | × | × | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
高度なAI(言語処理、画像処理、自動化機械学習) | × | × | 〇 | 〇 | 〇※6 | - ※7 |
XMLAエンドポイント利用 | × | × | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
自動スケーリングのアドオン | × | × | × | 〇 (US$85 /仮想コア/24 時間単位) | × | × |
Multi-Geo(複数地域・リージョン利用) | × | × | × | 〇 | 〇 | 〇 |
Microsoft Fabric のすべてのワークロードにアクセスする (Data Factory、Data Engineering、Data Warehouse、Data Science、Real-Time Analytics、Data Activator など) | × | × | × | 〇 | × | 〇 |
※1:マイワークスペース内のみ
※2:別途ユーザーライセンスが必要
※3:Premiumデータフロー機能 は利用できない
※4:Power BI Desktopから発行する際のアップロード時のサイズ上限が10GBまで。
※5:共有ワークスペースの総容量はライセンス数による上限がございます。詳細はこちらのブログ記事「Power BI Pro のワークスペース容量について」をご参照ください。
※6:Embedded容量のA2以降でサポートされます。
※7:Power BIの高度なAI機能より深度なデータサイエンスの機能なら利用可能。
※8:価格は定期的に改訂されることがありますので、最新の価格はPower BI の価格よりご確認ください。
※9:2024 年 7 月以降、新規で Power BI Premium Per Capacity 容量を購入できなくなり、今後すべて Fabric Capacity に移行されます。詳細な移行スケジュールにつきましては、Premium容量からFabric容量への移行 のブログ記事をご確認ください。
ライセンス組み合わせの Power BI コンテンツ閲覧可否
最後に、非常にたくさんのお問い合わせをいただく、「各ライセンスの組み合わせにおける Power BI コンテンツの閲覧可否」について表にまとめておきました。
ユーザーライセンス / ワークスペースの種類 |
Power BI Pro / Fabric Capacity (SKU F64 未満) |
Premium Per User | Premium Per Capacity / Fabric Capacity (SKU F64 以上) |
Embedded |
---|---|---|---|---|
Free | × | × | 〇 | × |
Pro | 〇 | × | 〇 | 〇 |
Premium Per User | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
参考情報
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以上、本ブログが少しでも皆様のお役に立てますと幸いでございます。
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