こんにちは、Power BI サポートチームの呂です。
オンプレミス データ ゲートウェイ(以下、ゲートウェイ)を使用してデータソースと接続し、スケジュール更新を運用されているお客様が多くいらっしゃいます。
しかし、運用いただく中、ゲートウェイが時々オフラインになったり、更新が断続的にエラーになることもございます。
本記事では、エンタープライズ ゲートウェイ構成後にデータ更新時に問題が発生した際にまずお試しいただきたいトラブルシューティング方法をご紹介します。
重要
本記事編集時点と実際の機能に相違がある場合がございます。予めご了承ください。
最新情報につきましては、参考情報として記載しておりますドキュメントをご確認ください。
Note
関連情報:
オンプレミス データ ゲートウェイのトラブルシューティング:構成時に発生するエラー | Japan CSS Support Power BI Blog
オンプレミス データ ゲートウェイのトラブルシューティング | Microsoft Learn
オンプレミス データ ゲートウェイとオンプレミス データ ゲートウェイ (個人用モード) - Power BI | Microsoft Learn
目次
1.最新版のゲートウェイをインストールする
2.データソースや容量の問題であるかを切り分ける
3.ゲートウェイマシンのリソース状況を確認
・ゲートウェイマシンのリソース状況の確認方法
・ゲートウェイマシンのリソース不足の判断方法
・ゲートウェイマシンのリソース不足時の対処方法
4.ゲートウェイマシンのイベントログの確認
1.最新版のゲートウェイをインストールする
Microsoft では、最新の6つのリリースのみを積極的にサポートしています。
毎月新しい更新プログラムがリリースされるため、ゲートウェイをバージョンアップすることで問題が解消する可能性があります。
2.データソースや容量の問題であるかを切り分ける
ゲートウェイ経由の更新でエラーが発生した場合、エラーメッセージに「DM_GWPipeline_Gateway_xxxxxxxx」のような形式で表示されますが、必ずしもゲートウェイが原因であるとは限りません。
ゲートウェイが原因であるかを切り分けるため、まずは特定のデータソースでのみエラーが発生するのか、それとも全般的に発生するのかを確認しましょう。
特定のデータソースでのみ発生する場合、以下の調査を行うことが有効です:
- ゲートウェイマシン上に Power BI Desktop をインストールし、Power BI Desktop でデータソースへの接続可否を確認
- クラウドデータソースの場合、ゲートウェイを使用しない構成での接続可否を確認
全般的にエラーが発生する場合、Premium 容量のスロットリングによって更新エラーが発生する可能性もありますため、ご利用容量のリソースの消費状況も確認してください。
3.ゲートウェイマシンのリソース状況を確認
ゲートウェイがインストールされているマシンのリソース不足が、一般的なエラー原因の一つと言えます。
リソースの使用状況はゲートウェイログに記録されており、Gateway Performance PBI テンプレートファイルを使用して確認できます。
本ブログでは、リソース状況を確認する手順、リソース不足の判断方法、および対処方法について紹介します。
ゲートウェイマシンのリソース状況の確認方法
Gateway Performance PBI テンプレート ファイル をダウンロードし、Power BI Desktop で開きます。
ゲートウェイのログファイルは、ゲートウェイがインストールされているマシンの以下のいずれかのフォルダーに保存されています。
- \Users\PBIEgwService\AppData\Local\Microsoft\On-premises data gateway\Report
- \Windows\ServiceProfiles\PBIEgwService\AppData\Local\Microsoft\On-premises data gateway\Report
保存先を確認し、テンプレートファイルのポップアップの “Folder Path” に入力し、データを読み込みます。
ログデータの読み込み後、“System Counters Over Time” ページで“System CPU Usage” や “System Memory Usage” を確認します。
更新エラーもしくはゲートウェイがオフラインになる問題が発生した場合、フィルターでエラー発生時点のリソース使用状況の平均値と最大値を確認しましょう。
ゲートウェイマシンのリソース不足の判断方法
ゲートウェイマシンがリソース不足であるかどうかを判断する基準については、以下公開情報にて説明されています。
CPU: CPU 使用率が長期間 80% を超える
RAM: 使用可能なメモリが定期的に 20% 未満に低下する
ディスク: ディスクの空き領域が頻繁に 5 GB を下回る
コンカレンシー: 1 つのノードで 40 を超えるクエリを同時に実行している
ノードで同時に実行するクエリの数が 40 に達すると、受信したクエリがキューに入れられ、長時間実行が保留され、パフォーマンスの低下やタイムアウトの種類のエラーが発生する場合があります。
コンカレンシーは追加のログ記録を有効にし、ゲートウェイ ログの、Mashup*.log ファイルで確認できます。
“runningCount” が 40 に近いことが多いかどうか、または “pendingCount” が 0 を超えることが多いかどうかを確認します。
ゲートウェイマシンのリソース不足時の対処方法
使用量が増えることにつれて、ゲートウェイクラスターをスケールアップまたはスケールアウトして、正常なパフォーマンスを維持する必要があります。
一般的に、スケールアップ (個々のノードの CPU、RAM、またはディスク領域の増加) よりスケールアウト (クラスターへのノードの追加) を優先的に行うことを推奨しています。
スケールアップ
ゲートウェイが 1 つ以上のクエリを実行するときに、使用量が最大 CPU または最大メモリに達した時点で、スケールアップが必要になることがあります。
クエリは 1 つのゲートウェイ サーバーでのみ実行できるため、ゲートウェイ サーバーには、クエリ全体と結果のデータを処理するための十分なリソースが必要です。
スケール アウト
ゲートウェイクラスターを使ってトラフィックを複数のゲートウェイに負荷分散します。これにより、単一障害点を回避できます。
ゲートウェイ サーバーが高性能である場合や、実行する同時クエリの数が多いために単一のゲートウェイ サーバーで管理できる上限に達している場合は、スケール アウトが必要です。
4.ゲートウェイマシンのイベントログの確認
ゲートウェイがサービスとしての動作開始または停止した場合、マシンの Windows イベントログで記録されます。
イベントビューアーを開き、[アプリケーションとサービスログ] > [On-premises data gateway service] を選択することで、イベントログを確認できます。
ゲートウェイのパフォーマンス テンプレートファイルと合わせて、トラブルシューティングにご活用ください。
以上、本ブログが少しでも皆様のお役に立てますと幸いでございます。
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