こんにちは、Power BI サポート チームのファムです。
本ブログでは、Power Platform管理センターから組織内のユーザーに対してオンプレミス データ ゲートウェイのインストールを制御する手順をご紹介します。
重要
本記事編集時点と実際の機能に相違がある場合がございます。予めご了承ください。
最新情報につきましては、参考情報として記載しておりますドキュメントをご確認ください。
目次
- オンプレミス データ ゲートウェイとは
- Power Platform 管理センターからオンプレミス データ ゲートウェイのインストールの制御手順
- オンプレミス データ ゲートウェイをインストールできるユーザーの場合の挙動
- オンプレミス データ ゲートウェイをインストールできないユーザーの場合の挙動
- オンプレミス データ ゲートウェイ (個人用モード)のインストール制御について
オンプレミス データ ゲートウェイとは
Power BI サービス上のレポートを最新データに更新するためには、データセットとデータソースを接続する必要がありますが、データソースがオンプレミス環境にある場合は、オンプレミス データゲートウェイが必要です。
オンプレミス データ ゲートウェイとは、オンプレミス環境のデータとPower BIサービス間においてセキュリティで保護されたデータ転送を行うための「ブリッジ」です。オンプレミス データ ゲートウェイのイメージは、以下のPower BI構成の概要図をご参考ください。
参考情報:
オンプレミス ゲートウェイについて
Power Platform 管理センターからオンプレミス データ ゲートウェイのインストールの制御手順
Microsoft Power Platform 管理センターにサインインします。「データ(プレビュー)」 > 「オンプレミス データ ゲートウェイ」 > 「ゲートウェイのテナント管理」にオンを設定し、 「ゲートウェイのインストール担当者の管理」をクリックします。
・ユーザーを追加する場合
「ゲートウェイのインストール担当者の管理」画面から、ゲートウェイをインストールさせたいユーザーを追加します。追加されているユーザーは、「現在のゲートウェイ インストーラー」の一覧から確認できます。こちらの一覧に表示されているユーザーは、ゲートウェイをインストール可能であり、この一覧に表示されていないユーザーはゲートウェイをインストールできないようになります。
・ユーザーを削除する場合
追加したユーザーに対して、オンプレミス データ ゲートウェイをインストールさせたくない場合は、「現在のゲートウェイ インストーラー」の一覧から「×」をクリックし、削除します。
オンプレミス データ ゲートウェイをインストールできるユーザーの場合の挙動
オンプレミス データ ゲートウェイをインストールできるユーザーは、オンプレミス データ ゲートウェイからサインインを試みると、以下のように正常にサインインできます。また、構成しているゲートウェイをご確認できます。
オンプレミス データ ゲートウェイをインストールできないユーザーの場合の挙動
オンプレミス データ ゲートウェイをインストールできないユーザーは、オンプレミス データ ゲートウェイからサインインを試みると、エラーメッセージ「インストールに失敗しました。オンプレミス データ ゲートウェイをインストールできるユーザーが組織により制限されています。サービス管理者またはテナント管理者にお問い合わせください。」が表示されます。
こちらのエラーメッセージが表示されるユーザーが、オンプレミス データ ゲートウェイをインストールできるようにしたい場合は、管理者ロールのユーザーからPower Platform管理センターでゲートウェイのインストール担当者として追加してもらう必要があります。
オンプレミス データ ゲートウェイ (個人用モード) のインストール制御について
オンプレミス データ ゲートウェイには、Power BI でのみ機能するオンプレミス データ ゲートウェイ (個人用モード) (以下、個人用ゲートウェイと表記します) という異なる種類のゲートウェイがあります。
名前の通り自分専用のゲートウェイとして、ローカルコンピューターに配置し、ローカルのデータソースとの接続・データセットの更新に使用されるゲートウェイです。
[参考情報]
Power BI で個人用ゲートウェイを使用する
Power Platform 管理センターや Power BI サービスの [接続とゲートウェイの管理] 画面からは、個人用ゲートウェイのインストール制御は行なえません。
しかし、テナント内すべてのゲートウェイに対して管理コマンドの実行が可能なオンプレミス データ ゲートウェイ管理用の PowerShell コマンドレットを使用することで、個人用ゲートウェイに対してもインストールの制御・ユーザーの追加などが可能になります。
このセクションでは、個人用ゲートウェイのインストールを制御し、特定のユーザーのみにインストール権限を付与する手順について説明いたします。
ヒント
・ オンプレミス データ ゲートウェイ管理用の PowerShell コマンドレットは、パブリックプレビューの機能となります。
・ また、オンプレミス データ ゲートウェイ管理用の PowerShell コマンドレットでインストール制御を行なうためには、テナント管理者 (Power BI 管理者またはPower Platform 管理者、グローバル管理者) 権限を持っている必要があります。
個人用ゲートウェイの制御手順
1. オンプレミス データ ゲートウェイ管理用の PowerShell コマンドレットをインストール
1 | Install-Module -Name DataGateway |
ヒント
DataGateway
コマンドレットを使用するためには、Windows OS 標準の Windows PowerShell とは別に Powershell 6.2.2 以降のバージョンが必要です。
PowerShell は以下 Github からダウンロード可能です。
2. テナント管理者のアカウントでデータ ゲートウェイ サービスに接続
ブラウザで認証画面が表示されますので、テナント管理者のアカウントで接続をお試しください。
1 | Connect-DataGatewayServiceAccount |
3. テナントのゲートウェイインストールの制御状態を確認
1 | Get-DataGatewayTenantPolicy |
通常のオンプレミス データ ゲートウェイのみがインストール制御されている場合、Policy
が EnterpriseInstallRestricted
という状態である結果が得られます。
1 | #実行結果 |
4. 個人用ゲートウェイのインストール制御を追加
ゲートウェイのインストールポリシーを設定する Set-DataGatewayTenantPolicy
コマンドを実行します。
1 | Set-DataGatewayTenantPolicy -PersonalGatewayInstallPolicy Restricted |
Policy
に PersonalInstallRestricted
が追加され、個人用ゲートウェイのインストールも制御された状態となりました。
1 | #実行結果 |
実際に、個人用ゲートウェイをインストールしようとすると以下の画面のように、インストールが制限されている旨が表示されます。
5. ユーザーごとに制御
一部のユーザーにのみインストールを許可させたい場合、続けて本手順も実施します。
まずは許可させたいユーザーの ObjectId
を取得します。ObjectId
は Azure Active Directry のユーザー情報から確認できる他、Az PowerShell モジュールの Get-AzADUser
コマンドで取得することも可能です。
1 | Connect-AzAccount |
取得した ObjectId
を Set-DataGatewayInstaller
コマンドでインストールを許可するユーザーとして追加します。
このとき GatewayType
パラメーターを Personal
とすることで、個人用ゲートウェイを対象にすることができます。
1 | Set-DataGatewayInstaller -PrincipalObjectIds $user1 -Operation Add -GatewayType Personal |
以下のように、ObjectId
に対して Personal
の GatewayType
が付与されていれば、許可された状態となります。
1 | #実行結果 |
[参考情報]
オンプレミス データ ゲートウェイ管理用の PowerShell コマンドレット (パブリック プレビュー)
以上、本ブログが少しでも皆様のお役に立てますと幸いでございます。
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