ブックマークとボタンで動的にレポート画面を切り替える方法

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こんにちは、Power BI サポートチームの呂です。
Power BI レポートを運用する中で、「表示したい情報が多く、ページを増やすと閲覧性が下がる」「一画面で複数の分析視点を効率的に切り替えたい」といった課題が挙がることがあります。特にキャンバスのスペースが限られている状況では、「同じページ内で、表示するビジュアルを用途や視点に応じて動的に切り替えたい」というご要望をいただくことが少なくありません。

そのようなニーズに応える手段として有効なのが、「ブックマーク」と「ボタン」を組み合わせた画面表示の切り替え機能です。これを活用することで、タブ切り替えのようなインタラクティブな操作を実現し、ユーザーにとってより使いやすく、視認性の高いレポートを提供できます。本記事では、Power BI レポートにおけるブックマークとボタンの基本機能と設定方法、さらに実装例のサンプルをご紹介します。

公開情報:
Power BI でレポートのブックマークを作成して分析情報を共有し、ストーリーを作成する - Power BI | Microsoft Learn
Power BI レポートでボタンを作成および構成する - Power BI | Microsoft Learn

重要

本記事編集時点と実際の機能に相違がある場合がございます。予めご了承ください。

最新情報につきましては、参考情報として記載しておりますドキュメントをご確認ください。


実装サンプル

Power BI の公式サンプルレポート「Employee Hiring and History」では、ブックマークとボタンを活用したビュー切り替え機能が実装されています。
画面ショットの通り、「New Hires」ページの左上には、以下の 2 つのビジュアルが配置されています。
-Hires by Type フルタイムとパートタイムの新規採用数の推移を、折れ線グラフで比較したビジュアルです。
-YoY 新規採用数の前年同期比を棒グラフで表現し、アクティブ従業員数の前年比を折れ線グラフで表示しています。

これら 2 つのビジュアルは、ビジュアル左上の「Hires by Type」と「YoY」のタブ形式のボタンをクリックすることで、表示を切り替えられるようになっています。

サンプルの詳細と、ダウンロードリンクは、以下の公開情報をご参照ください。
従業員の採用と履歴のサンプル: ツアーを開始する - Power BI | Microsoft Learn


実装手順

Power BI レポートでボタンによるビュー切り替えを実装するためには、以下の手順でブックマークとボタンを設定します。

1.表示を切り替えたい複数のビジュアルを、同じページ内の同じ場所に重ねて配置する

例えば、以下の折れ線ビジュアルとテーブルビジュアルを重ねて配置します。


2.ビジュアルの表示状態を設定し、ブックマークを作成する

2-1 Power BI Desktop の [表示] タブにて、[ブックマーク] ペインと [選択項目] ペインを表示させます。


2-2 [選択項目] ペインで「折れ線」を非表示にし、「テーブル」のみを表示させた状態で、[ブックマーク] ペインから「テーブル表示」などの名称でブックマークを追加します。


2-3 「折れ線」を表示し、「テーブル」を非表示にした状態で、「グラフ表示」などの名称で2つ目のブックマークを追加します。


2-4 作成した各ブックマークを選択し、ビジュアルの表示が正しく切り替わることを確認します。

3.ボタンを作成する

ブックマーク ナビゲーターを使用する場合
[挿入] タブの [ボタン] から [ナビゲーター] > [ブックマーク ナビゲーター] を選択しますと、自動的にボタンが作成され、作成済みのブックマークが適用されます。ブックマーク名がそのままボタンに表示されるため、表示名を変更したい場合は、ブックマーク名を編集します。
※Ctrl キーを押しながらボタンをクリックすることで、設定したアクションを確認できます。


個別のボタンを作成する場合
一例となりますが、[挿入] タブの [ボタン] から [空白] を選択し、キャンバス上にボタンを配置します。


この場合、ブックマークは自動でボタンに適用されないため、ボタンを選択後に [アクション] を手動で設定します。
まず、[アクション] をオンにし、[種類] を「ブックマーク」に設定したうえで、対応するブックマークを選択します。
また、ボタンに表示されるテキストは、[スタイル] > [テキスト] から編集できます。


最後に

今回ご紹介した方法を使えば、同じページ内で複数のビジュアルを簡単に切り替えられるようになります。
限られたキャンバススペースでも、直感的で使いやすいレポートを実現できるのが大きなメリットです。
複数の視点から情報を見せたいときや、ユーザーの操作性を高めたいときに、ぜひ活用してみてください。
まだ試したことがなければ、一度お手元のレポートで試してみましょう!
以上、本ブログが少しでも皆様のお役に立てますと幸いでございます。


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